当局の調査・捜査への対応

独占禁止法・競争法違反が疑われる事案における当局の調査・捜査は、ある日突然、予告なく、立入検査等の形で開始されることが少なくありません。このような調査・捜査は、刑事罰や多額の課徴金納付命令、ステークホルダーからの信頼喪失等の極めて重大な結果に直結するため、企業にとって深刻な危機であり、的確な対応を行えるか否かが重大な分かれ道となります。そして、企業のダメージを最小限に抑えるためには、徹底的な社内調査により事実関係を把握し、当局の法運用を踏まえた法的分析によって的確に事案を見極めた上で、場合によっては当局に批判的な意見書等を提出するなどして防御し、場合によっては確約手続を活用するなどして処分を回避するなど、専門的な知見に基づく対応が不可欠となります。また、当局による連日の事情聴取に対応する企業の役職員に寄り添いつつ、聴取内容から当局の考えを把握し、直ちに弁護方針に反映させるといった集中的かつ専門的な対応も必要とされます。

のぞみ総合法律事務所では、公正取引委員会勤務経験を有する弁護士や東京地検特捜部検事としての経験を有する弁護士が中心となり、独占禁止法・競争法違反の疑いを受けた企業のご依頼に応じ、事実解明のための社内調査、防御方針の検討、当局との折衝、公正取引委員会の排除措置命令等に対する争訟、刑事弁護等の全般にわたり、当局の調査・捜査に直面した企業が的確に危機管理を行えるようリードし、ダメージを最小限に抑えられるよう、全面的にバックアップしており、著名・重大事件を含む多数の事件において実績を上げてきました。

立入検査への緊急立会い

顧問契約等により日常的に関係を築かせていただいている企業様については、突然行われる公正取引委員会の立入検査に弁護士が緊急立会いを行い、検査対応について助言を行うことが可能です。また、必要に応じ、一種の日本版依頼者・弁護士間秘匿特権(プリビレッジ)ともいえる判別手続にも対応します。

事実解明のための調査・法的分析・事案の見極め

のぞみ総合法律事務所では、公正取引委員会勤務経験を有する弁護士、東京地検特捜部検事としての経験を有する弁護士、公認不正検査士資格を有する弁護士らがチームを組み、必要に応じてデジタル・フォレンジックの専門家とも連携するなどして、事実解明のための調査を行った上、当局の法運用や先例・学術研究等に関する豊富な知識を活かして、法的分析を行い、争う余地のある事案なのか、違反と判断されてもやむを得ない事案なのかなど、事案を的確に見極めます。

当局との折衝

のぞみ総合法律事務所の所属弁護士は、公正取引委員会への出向経験・検察官としての経験やこれまでの調査対応を通じ、当局との間で円滑なコミュニケーションをとれる関係を築いています。当局の調査・捜査の対象とされた事案では、このような関係を活かし、クライアント企業と協議して決定した方針に基づき、処分の回避を目指して批判的な視点からの意見書等を提出したり、確約手続等を通じて処分の回避を目指したりするなど、企業を代理して当局との折衝を行います。

企業の意思決定や役職員へのサポート

当局の調査・捜査に直面した企業は、疑われた法違反を認めるか否か、課徴金減免申請を行うべきか否か、広報対応をどのようにすべきか、取締役会においてどのような説明を行うべきか等々、様々な難しい意思決定を次々と迫られることとなります。のぞみ総合法律事務所では、面談によるご説明や意見書作成等を通じ、このような企業の意思決定プロセスをスピーディーかつ全面的にサポートします。

また、当局による連日の事情聴取に対応する役職員は、心身共に疲弊します。のぞみ総合法律事務所では、事情聴取を受ける役職員に寄り添い、事前・事後のレクチャーによって不安を取り除けるようサポートすると同時に、聴取内容から当局の考えを把握し、直ちに弁護方針策定に活かすなど、タイムリーな対応を行っています。

取消訴訟の提起等

公正取引委員会の行政処分(排除措置命令・課徴金納付命令)に対しては、取消訴訟を提起し、裁判所において争うことができます。

のぞみ総合法律事務所では、各弁護士が専門性のみならず総合力を養うことを重視しており、多くの弁護士が豊富な訴訟経験を有していますので、独占禁止法・競争法に関する専門的な知見と豊富な訴訟経験を掛け合わせた効果的な取消訴訟対応が可能です。

刑事弁護

重大なカルテル・談合事件については、東京地検特捜部と公正取引委員会が連携し、刑事事件として立件されることがあります。

のぞみ総合法律事務所では、東京地検特捜部検事としての経験を有する弁護士や公正取引委員会勤務経験を有する弁護士が中心となり、捜査段階及び公判段階における刑事弁護活動を行い、捜査対象となった企業を全面的にバックアップします。

主な取扱案件の一例

  • 不公正な取引方法の疑いで立入検査を受けた事案において、確約手続により行政処分を回避

  • 不公正な取引方法の疑いで調査を受けた事案において、公正取引委員会との折衝により行政処分を回避

  • 公正取引委員会の立入検査を受けた事案において、立入検査への緊急立会いを実施

  • 不当な取引制限の疑いで調査を受けた事案において、企業の意思決定や広報対応、役職員の聴取対応、公正取引委員会の意見聴取手続への対応等を全面的にサポート

  • 価格カルテルとして排除措置命令等を受けた事案において、取消訴訟を提起又は改正前独占禁止法に基づく審判を請求

  • 入札談合に関し刑事事件として捜査を受けた事案において、社内調査、検察官との折衝、起訴後の公判弁護等を全面的にサポート

  • 当局の捜査・調査を受けた事案について、弁護方針に関するセカンド・オピニオンを提示

独占禁止法の今日的課題 セッション1 司法取引と独禁法 スピーカー 

競争法フォーラム年次大会;2018.11.1

協議・合意制度(日本版司法取引)の導入と独禁法実務

競争法フォーラム月例会;2018.9.21

摘発強化の流れに対応する下請法及び優越的地位の濫用に関わる体制整備

プロネクサス;2018.1.18

独占禁止法の違反事件に対する企業の実務対応(競争法実務家養成コース)

公正取引協会;2017.12.15

独禁法違反調査手続の実際と企業の実践的対応~平成27年12月公表の公取委の審査手続指針を踏まえて~

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平成25年独占禁止法改正後の実務-処分前手続実務-

競争法フォーラム年次大会;2015.10.22

カルテル・談合の摘発リスクに企業はどのように対処すべきか

More-Selections MSサロン;2015.10.19

公取委の意見聴取手続への対応

第二東京弁護士会経済法研究会;2015.10.13

公取委の摘発リスクを見据えたカルテル・談合の予防,早期発見,有事対応の体制整備

プロネクサス;2015.5.25

Antitrust Investigations and Notable Antitrust Topics in Japan

BAKER BOTTS LLP., New York;2013.10.29

国際カルテル事件の動向および日本企業の対応

東京三弁護士会・同国際関連各委員会;2012.11.15

巨大ITの独禁法違反、審査初期から社名公表に関するコメント掲載

日本経済新聞;2022.6.17朝刊

入札談合事案に関するコメント掲載

MLex レクシスネクシス・ジャパン;2022.3.23

GLOBAL PRACTICE GUIDE ーWhite-Collar Crime 2021, Japan: Trends and Developments」

Chambers and Partners;2021.10

独禁法事例速報 排除型私的独占等被疑事件について確約計画が認定された事例ー日本メジフィジックス確約認定

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改正独占禁止法のガイドラインに関するコメント掲載

MLex レクシスネクシス・ジャパン;2020.5.1

独禁法事例速報 再入札で落札した受注予定者以外の者に課徴金が課された事例ー舗装災害復旧工事談合事件

ジュリスト2019年3月号(No.1529)  有斐閣;2019.2

社会の変化に応じた公取委の動き,確約手続や日本版司法取引の導入等に注目

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独禁法事例速報 農協による組合員からの賦課金徴収等と優越的地位の濫用 -阿寒農業協同組合に対する注意

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企業法務テーマ別2016年の展望 改正独占禁止法や公取委ガイドライン改正への対応がポイント

会社法務A2Z 2016年1月号 第一法規;2015.12

論点解題 摘発続く国際カルテル(取材応答内容の掲載)

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独禁法事例速報 施主代行者が受注予定者を指定するなどしたことが支配型私的独占とされた事例-福井県経済農業協同組合連合会事件

ジュリスト2015年5月号 有斐閣;2015.5