下請法
下請法は、メーカーはもちろん、他社への委託取引を行う様々な業種の企業が留意しなければならない重要な法律です。そして、公正取引委員会による指導件数が2020年度まで13年連続で最多を更新するなど、下請法に対する当局の取締りは年々活発化しており、よりいっそうの注意が求められるようになっています。
割り切った形式的判断がなされる場面の多い下請法を遵守しつつ、ビジネスを前に進めるためには、当局の法運用に関する行き届いた知識のほか、ビジネスの現場を理解し、事業部門と協調して現実的なソリューションを考案する柔軟性も求められます。
のぞみ総合法律事務所では、公正取引委員会への出向経験を有する弁護士を中心に、継続的な相談対応、社内研修、違反の予防体制の構築、公正取引委員会等への違反行為の自発的申し出(「下請法リニエンシー」)、公正取引委員会等の調査への対応等の様々な側面において、クライアント企業のビジネスに寄り添ったきめ細かなリーガルサービスを提供します。
継続的な相談対応
下請法を遵守し、公正取引委員会等から法令違反の指摘を受けることを回避しつつ、ビジネスの現場に必要以上の負担をかけないようにするためには、当該クライアント企業のビジネスの現場がどのように運営されているかを理解し、どのような対応であれば現実的に受入れ可能なのかを事業部門とも協議するなどし、合理的なソリューションを生み出していく必要があります。
のぞみ総合法律事務所では、ご相談事項について単に下請法上の評価を述べるだけに止まらず、顧問契約等によって継続的に相談を受けることで企業のビジネスに対する理解を深め、このようなソリューションを提示することを目指しています。
もちろん、スポットでのご相談も歓迎いたします。
社内研修・コンプライアンス体制整備
下請法は、公正取引委員会等が定めたルールを知っておかなければ遵守することが難しいという側面が目立つ法律です。そのため、社内研修等を通じ、現場の隅々にまで下請法の内容を周知徹底することが極めて重要になります。のぞみ総合法律事務所所属弁護士は、長年にわたり、公益財団法人公正取引協会や複数のビジネスセミナー運営会社・事業者団体の主催する下請法セミナーで講師を務めるほか、さまざまな業種の企業において日常的に下請法研修を担当しており、豊富な経験を有しています。
社内研修においては、当該企業のビジネスに則したアレンジを行うほか、役員向け、法務・コンプライアンス担当者向け、現場担当者向けなど対象者に応じたアレンジを行い、各対象者が把握しておくべき下請法コンプライアンスのポイントをわかりやすくお伝えいたします。また、これらの研修については、東京以外の地方を含む会場でのリアル実施のほか、ウェブでの実施、録画配信にも対応しています。
のぞみ総合法律事務所では、このような下請法に関する社内研修のほか、社内体制整備、規程・マニュアル作成支援等を行っています。
当局の調査に対する対応
のぞみ総合法律事務所では、公正取引委員会・中小企業庁等の書面調査や実地調査の対象とされた企業に対し、予想される調査の流れ、対応方針、書面調査への回答内容、実地調査にあたって準備しておくべき書類等について助言し、クライアント企業と一丸となって調査に対応いたします。
また、下請取引該当性に疑義がある場合、下請法違反であるか否かに疑義がある場合、違反は認めざるを得ないものの当局に理解を求めたい事情がある場合など当該事案の状況に応じ、意見書の作成や当局との折衝等の必要な対応を行い、クライアント企業を全面的にサポートします。
違反の自発的申し出(「下請法リニエンシー」)の対応
公正取引委員会・中小企業庁の運用上、一定の要件を満たす自発的申し出を行った企業は、本来であれば社名公表に値する事案であったとしても、社名公表は行なわないものとされています。
このような違反の自発的申し出を行うに当たっては、実態を詳細かつ的確に把握し、申し出すべきか否かを検討した上で、申し出内容や下請事業者への不利益回復の範囲等について適切な判断を行う必要があります。
のぞみ総合法律事務所では、公正取引委員会への出向経験や下請法の実務に関する豊富な経験を活かし、下請法違反が社内で発覚した場合の公正取引委員会等への自発的申し出の対応も行っています。
主な取扱案件の一例
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メーカーに対し、下請法を遵守しつつサプライチェーンマネジメントを進める方策を助言
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下請法に適合する発注書、契約書等を作成
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メーカーに対し、EDIやシステムの制約の中で下請法に適合する発注書を交付する方策を助言
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メーカーに対し、買いたたきとの指摘を受けないようにするための価格交渉の方法を助言
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下請事業者からの下請法違反の指摘への対応について助言
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公正取引委員会・中小企業庁の書面調査・実地検査に際し、事前に対応方法を助言
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勧告相当事案について、公正取引委員会に対し違反の自発的申出を行い、社名公表を回避
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下請取引該当性が論点となった事案において、意見書を公正取引委員会に提出して折衝し、下請取引に該当しないとの判断を獲得
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地方に所在するメーカーの工場において下請法研修を実施
〈Q&A〉消費税転嫁対策特措法・下請法のポイント【第1回】「消費税転嫁対策特措法・下請法の概要と異同」(共同執筆)
Profession Journal2020年4月 プロフェッションネットワーク