内部通報・公益通報
内部通報は、企業コンプライアンス経営において不正・不祥事の予防や早期発見の観点で極めて重要な意義を有する取組みです。内部通報制度を適切に構築・運用することにより、企業は不正・不祥事を早期に把握して、自浄作用を発揮し、失われた信頼を回復することが可能となります。
のぞみ総合法律事務所は、公益通報者保護法制定前から、内部告発を端緒とする様々な企業不正事案に対応してきた立場から、内部通報の重要性に着目し、公益通報者保護法の施行当時から多くの企業の内部通報の受付・調査を担当するとともに、執筆・講演等の形で様々な情報発信をしてきました。
2022年6月に施行された2020年改正公益通報者保護法により企業の内部通報に関する体制整備等が義務化され、また、海外事業のさらなる拡大を受けたグローバルコンプライアンスの観点でのグローバル通報制度確立が急務とされる中、のぞみ総合法律事務所は、様々な態様で企業の内部通報の取組みをサポートしています。
2020年改正公益通報者保護法・指針対応
2022年6月に施行された改正公益通報者保護法により、企業(常時使用労働者が300人超の企業その他の法人等)は、公益通報対応業務従事者の指定や、内部公益通報対応体制の整備等の対応を行う必要があります。
のぞみ総合法律事務所の内部通報チームの弁護士は、公益通報者保護法を所管する消費者庁とも共同で講演・セミナーを行うなど最新の情報を把握しつつ、クライアント企業の改正法・指針対応を様々な観点から支援しています。
具体的支援業務の例
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内部通報制度の外部評価・改善提案
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社内規程・運用マニュアル等の改訂
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公益通報対応業務従事者に対する業務サポート(例:調査方針への助言、モニタリング等)
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公益通報対応業務従事者としての外部受付窓口、調査対応等(利益相反の可能性を排除するための顧問弁護士以外の外部窓口や、経営陣から独立した監査役と連携した外部窓口なども含む)
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公益通報対応業務従事者に対する研修・勉強会
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ハラスメント窓口を担当する人事部の担当者に対する研修・勉強会
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役員、管理職に対する改正法勉強会(通報者探索の禁止、守秘義務・刑事罰等を含む)
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一般従業員に対するコンプライアンス研修における改正法研修
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常時使用労働者数300人以下で対応が努力義務にとどまる企業に対する改正法対応助言
内部通報の社外受付窓口・調査対応等
のぞみ総合法律事務所の内部通報チームの弁護士は、様々な企業等のホットライン・ヘルプライン等、内部通報の社外受付窓口を担当し、内部通報の受付・調査等を行っています。改正公益通報者保護法の施行により、公益通報対応業務従事者としての指定を受け、刑事罰のある守秘義務を追う形での業務遂行を行う必要がある通報受付・調査対応業務は、今後ますますその重要性を増していきます。また、必要に応じて、男女弁護士がペアで担当することで、ハラスメント等の多様な通報への対応体制の充実化を図っています。
具体的なサポートの例
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内部通報社外受付窓口・調査担当(男女弁護士ペアによる担当も可能)
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企業グループの内部通報社外受付窓口・調査担当(子会社を含むコンプライアンス支援)
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利益相反の可能性を排除するための顧問弁護士以外の社外受付窓口の担当
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社外取締役等としての内部通報受付
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監査役・社外取締役等と連携した内部通報受付・調査支援(外部窓口として通報を受け付け、経営陣から独立した監査役等と連携して対応する等)
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海外子会社を含むグローバル通報受付・調査支援(外部専門企業との連携を含む)
内部通報対応サポート(窓口を担当しない場合)
のぞみ総合法律事務所の内部通報チームは、内部通報の社外窓口として通報受付・調査等を担当していない場合でも、社内窓口・調査の担当部門(法務、コンプライアンス、内部監査等)に対し、具体的通報案件における調査方針や事実認定・是正措置等の対応について、助言・支援を提供しています。改正公益通報者保護法に基づき刑事罰付きの守秘義務が課される公益通報対応業務従事者等に対し、調査方針の決定や具体的な情報共有のあり方、ヒアリングにおけるやりとりの内容等について、継続的な協議、支援、助言等を提供しています。役員が関連する事案など、社内の窓口担当者によるヒアリング等が容易でない場合等には、調査そのものを担当することも少なくありません。
社内研修・勉強会
内部通報に関する取組みは、内部通報制度を所管する法務・コンプライアンス等の部門だけがその重要性を理解すれば足りるものではありません。経営トップや役員・管理職は、通報者保護や情報管理の重要性を意識するとともに、経営者不正について監査役・社外取締役等への通報により自らをガバナンスする仕組みの意義を理解する必要があります。また、一般従業員を含む全役職員に対しては、退職後も含め、違法行為やコンプライアンス違反等について内部通報を行うことの重要性と通報者に対する保護を周知する必要があります。
さらに、2020年改正公益通報者保護法に基づく消費者庁指針は、これらの研修・周知に加え、公益通報対応業務従事者に対する、通報者の情報管理についての十分な教育を要求しています。
のぞみ総合法律事務所の内部通報チームの弁護士は、リアル・オンラインを問わず、数多くの社内研修・勉強会を担当しています。
具体的な研修メニューの例
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役員・管理職向け改正公益通報者保護法トレーニング
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公益通報対応業務従事者研修・ワークショップ
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人事部ハラスメント通報窓口研修・トレーニング(改正法対応含め)
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ヒアリング技術研修(模擬ヒアリング含め)
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一般従業員向けコンプライアンス研修+内部通報周知
消費者庁との連携
のぞみ総合法律事務所の内部通報チームは、公益通報者保護法を所管する消費者庁と共同でセミナーを担当したり、社内規程案の作成・解説を行ったりするなど、緊密な連携をとっています。
連携の具体例
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消費者庁企画官・担当官との共同セミナー(東京3弁護士会シンポジウム<2018/3/9>、産業経理協会<2020/1/8、8/5、2021/7/5>、日本コーポレート・ガバナンス・ネットワーク<2019/11/6>)
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消費者庁からの委託を受けた内部通報制度に関する社内規程案作成・消費者庁説明会での解説(2019/8/9、8/30、10/11)
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改正公益通報者保護法に基づく内部規程例作成、消費者庁・経団連共催セミナーでの解説(2022/1/26)
グローバル内部通報システム構築・運用支援
グローバルに事業を展開する企業にとって、海外子会社を含むグローバル体制におけるコンプライアンス推進が喫緊の課題です。
のぞみ総合法律事務所の内部通報チームは、海外子会社を含むグローバル内部通報システムの構築・運用の支援、具体的な通報案件対応に関する助言・サポート、海外弁護士・専門企業との連携支援など、様々な形でこれをサポートしています。
内部告発事案対応
当局やマスメディアへの内部告発や、SNSやネット上への書込みは、時にその内容が深刻な名誉毀損となることもあり、交渉や時には訴訟も含め、事案に応じた的確な対処が必要となります。
のぞみ総合法律事務所は、メディア対応・ネット上への書込み対応の豊富な経験に基づき、メディアからの取材やネット上への書込みの内容を踏まえた事実確認、対応のサポートを行っています。
[LAWYERS GUIDE 2023]Special02「覆面座談会~現役法務部員×結城大輔弁護士が語る内部通報制度整備・運用の実務と課題解決の要諦~」
Business&Law;2023.1.11
国際取引法学会<研究報告>(184)海外子会社とのリスク情報コミュニケーションに関する一考察~レポーティング・ライン、内部通報制度、内部監査を通じた報告・共有・伝達の現状分析~
国際商事法務 Vol51 No.4 通巻730号 国際商事法研究所;2023