景品表示法、食品表示法、特定商取引法等
のぞみ総合法律事務所には複数の消費者庁出向経験者及び公正取引委員会出向経験者をはじめとする専門的な知識と幅広い実務経験を有する弁護士が在籍しており、事業者の皆様が、これらの消費者関連法を遵守しつつ、商品・サービスの魅力を最大限訴求するための表示・広告、キャンペーン等や取引行為により事業活動を展開できるよう実務に即した法的アドバイスをご提供しています。
不当景品類及び不当表示防止法
不当景品類及び不当表示防止法(以下「景品表示法」といいます。)は、不当な表示や行き過ぎた景品類の提供を規制する法律で、近時、当局による法執行の強化や社会のデジタル化の進展に伴い、景品表示法をめぐる実務の重要性や複雑性が高まっています。
特に、不当表示規制は、一般消費者向けの表示であれば、事業者の業態・規模や表示媒体を問わず広く適用されますが、違反について当局から摘発されて措置命令を受けると、当該表示が不当であった旨の新聞公告等を命じられるほか、当該措置命令を受けた事実が公表されることで大きく報道され、ステークホルダーからの信頼を失うとともに、2014年11月改正法(2018年4月施行)によって導入された課徴金制度により売上に応じた多額の課徴金納付命令が発せられたりするなど、企業が受ける損害は甚大です。
商品パッケージ、テレビCM、チラシ等といった従前からの媒体に加え、昨今、社会のデジタル化の進展に伴い、ウェブサイト広告、SNS広告、アフィリエイト広告等、広告・宣伝の媒体や手法が多様化していることを受け、当局も次々と新たな規制や考え方を打ち出しています。
このような状況の中、景品表示法を遵守しつつ、商品・サービスの魅力を消費者に最大限訴求できる表示を創り上げるためには、景品表示法に関する当局の判断の勘所や最新の法執行状況についての知識や経験を活かし、当局から指摘を受けるリスクを的確に見積もるとともに、SNS等における炎上リスクや顧客の信頼を失うリスクにも目を配り、幅広い視野からリーガルリスクを検討した上で、必要に応じて代替的な訴求方法をご提案するというクリエイティブな発想が必要になります。
のぞみ総合法律事務所は、メーカー、小売事業者、飲食事業者、IT系企業など様々な業態のクライアント企業から日常的に表示に関するご相談を頂く中で豊富な経験を積み重ねており、景品表示法の不当表示規制の趣旨・構造や判断方法を理解した立場から、景品表示法のみならず、薬機法、特定商取引法等といったその他の隣接法令による表示規制も意識しながら、多角的、迅速かつ正確に表示のレビューを行い、ビジネスに寄り添った代替策のご提示にまで踏み込んだ柔軟なアドバイスをご提供します。
また、昨今の社会のデジタル化に伴い、景品類の提供の種類や方法・態様も、ウェブサイトやアプリ上のオンラインゲーム、ポイントサービス等において消費者に付与するポイント、アイテム等、多様化・複雑化しており、景品表示法の景品類規制に関する判断が難しい場面が増えています。
このような場面で、景品類規制を遵守しつつ効果的なキャンペーン等を打ち出すためには、景品類規制の趣旨や構造に対する正確な知識はもちろん、個々のキャンペーン等の内容や背景となるビジネスモデルを理解し、戦略的な検討を行うことが求められます。
のぞみ総合法律事務所では、メーカー、小売事業者、飲食事業者、IT系企業など様々な業態のクライアント企業から景品類規制に関するご相談を日常的に頂いており、適法性についてアドバイスすると共に、景品類規制に適合しないと判断される事案では代替的なキャンペーン手法をご提案するなど、ビジネスに寄り添ったアドバイスを提供しています。
取扱案件の一例
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大手小売業者の商品パッケージや店頭における表示に関する助言
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大手メーカーの商品パッケージにおける表示に関する助言
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大手小売業者の価格表記について表示規制に照らして助言
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大手メーカー、大手小売業者等のキャンペーンについて景品類規制に照らして助言
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スマートフォンのゲームアプリにおける企画と景品規制との関係について法律意見書を作成した事例
特定商取引に関する法律
特定商取引に関する法律(以下「特定商取引法」といいます。)は、事業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止し、消費者の利益を守ることを目的とする法律です。訪問販売や通信販売等の消費者トラブルを生じやすい取引類型を対象に、事業者が守るべきルールと、クーリング・オフ等の消費者を守るルール等を定めています。
のぞみ総合法律事務所では、インターネット通販等の通信販売を行う事業者の表記義務や、訪問販売、連鎖販売取引などにおける契約締結の前後で概要書面及び契約書面の交付義務などについて、表記方法や書面の記載内容が法令に準拠しているかについて、実務に則した法的アドバイスを提供します。
取扱案件の一例
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エステティックサロンにおけるクーリング・オフ対応に係る法的助言
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教育業界における特定商取引法上の規制を踏まえた運営サポート
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ECサイトの特定商取引法に基づく表示事項のレビュー
食品表示法
食品表示法は、食品の表示についてのルールを定める法律で、その具体的なルールは、食品表示基準という内閣府令に定められています。食品の関連事業者はこの基準を遵守することが義務付けられており、違反行為については当局による指示等の行政措置を受けることがありますが、この基準は諸法令が複雑に組み合わさっていることがあり、あらかじめこの複雑な基準をよく理解した上で、遵守する必要があります。
のぞみ総合法律事務所では、食品の種類に応じた具体的な事案に即して食品表示ラベルのレビューなどを行うほか、特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品の表示については、景品表示法や健康増進法の観点からのレビューも行っています。
取扱案件の一例
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食品の表示方法について、食品表示基準の解釈に関する当局への照会に基づき助言を行った事例
当局・消費者団体訴訟対応
景品表示法、特定商取引法、食品表示法に違反する行為については、当局による調査を経て、行政指導や、措置命令(景品表示法の不当表示規制においては課徴金納付命令もあります。)等といった行政処分・制裁の対象となるだけでなく、内閣総理大臣の認定を受けた適格消費者団体から差止め等の請求を受け、任意交渉段階での解決に至らなければ、民事訴訟の提起を受けることもあります。
このような有事に直面した企業が、行政処分等を可及的に回避するなどダメージを最小限に抑えるためには、これらの法律の実務に関する詳細な知識と経験を活かし、適時に当局に対する効果的な意見申述等を行うなどの集中的な対応を行うことが求められます。
のぞみ総合法律事務所では、消費者庁や公正取引委員会への出向経験を活かし、当局と円滑なコミュニケーションをとりつつ、クライアント企業と協議して決定した方針に基づき、行政処分等の回避を目指して批判的な視点からの意見書等を提出したり、一般消費者の誤認を防止する措置や再発防止策について助言した上で当局等への申述を行って行政処分等の回避を目指したりするなど、有事に直面した企業を全面的にサポートします。
また、行政処分や損害賠償・差止め等の請求を受けた場合には、各処分に対する審査請求・取消訴訟といった不服申立てや、適格消費者団体からの請求に対する訴訟対応を行います。
取扱案件の一例
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消費者庁が景品表示法の優良誤認表示の疑いで調査を行った事案において、調査対応、再発防止策等について助言を行い、消費者庁に法律意見書を提出して折衝した事例
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都道府県が景品表示法の有利誤認表示の疑いで調査を行った事案において、調査対応、再発防止策等について助言した事例
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適格消費者団体からの申入れに対して折衝を行い、提訴に至らずに終了した事例
コンプライアンス体制整備
景品表示法は、事業者に対して景品類の提供に関する事項と表示に関する事項を適切に管理するための体制の整備等を求めており、体制整備義務違反は行政指導等の行政措置の対象となり得ます。また、景品表示法のように体制整備が法律上の義務とされていない場合であっても、複雑化・多様化する各種の規制の遵守を徹底するためには、事業者において社内規程整備、研修実施、確認体制の構築等、役職員ひとりひとりの法令への理解を高め、適切な運用ができるコンプライアンス体制を整備することが不可欠です。
のぞみ総合法律事務所では、クライアント企業のビジネスの実情を詳細に理解した上で、例えば、社内における企画・設計、調達、生産・製造・加工、提供といった各段階における表示内容や根拠情報の確認フローの設定、管理担当者や担当部門の設置等について助言するなど、社内の管理体制が、景品表示法に基づく指針に適合し、かつビジネスの現場にも受け入れやすいものとなるよう、コンプライアンス体制整備のお手伝いをします。
取扱案件の一例
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大手小売事業者にて、景品表示法に基づく「事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針」に則した社内管理体制の整備について助言
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大手小売事業者にて景品表示法の社内研修を実施