消費者団体訴訟
消費者団体訴訟制度とは、内閣総理大臣が認定した消費者団体が、消費者に代わって事業者に対して訴訟等を行う制度です。
通常の民事訴訟では、消費者自身が事業者に対して訴訟を提起していく必要がありますが、①消費者と事業者との間で情報や交渉力に格差がある、②少額被害のため泣き寝入りが多い、③同種・類似のトラブルが多発するといった特徴があることから、特例的な訴訟制度として消費者団体訴訟制度が存在します。
具体的には、同じような類型の行為によって多くの消費者に同じような被害が生じているケースについて、適格消費者団体(内閣総理大臣が認定)による差止請求制度と、特定適格消費者団体(適格消費者団体の中から内閣総理大臣が認定)が消費者に代わって被害の集団的な回復を求める訴訟を行う被害回復制度(いわゆる「消費者クラスアクション」)があります。
差止請求
差止請求制度は、内閣総理大臣の認定を受けた消費者団体が消費者に代わって不当な条項の使用等を差し止めることができるとする制度です。
消費者契約法によって認められる適格消費者団体の差止請求権の対象は、消費者契約法だけでなく、景品表示法、特定商取引法、食品表示法に及びます。消費者契約法は、近年も頻繁に改正が行われており、取り消し得る不当な勧誘行為の追加、無効となる不当な契約条項の追加がされるなどその影響力を高めています。
のぞみ総合法律事務所では、消費者庁出向経験者をはじめとして、専門的な知識と幅広い経験を有する弁護士が、実務に則した法的アドバイスとサポートを提供しています。
消費者クラスアクション
消費者クラスアクションの制度は、通常の訴訟とは異なる手続に沿って行われます。二段階型の訴訟と言われており、一段階目の手続は、特定適格消費者団体が事業者の共通義務(金銭支払義務)を確認する訴訟で、その共通義務が認められる場合は、二段階目の手続に移行し、この段階で個々の消費者が手続に参加し、当該手続で個々の消費者の債権額を確定するという訴訟になっています。
特定適格消費者団体が一段階目から関与して個々の消費者への金銭分配まで行うという特殊な訴訟手続であり、これに対応するには専門的な知識が求められます。
のぞみ総合法律事務所では、消費者庁出向経験者をはじめとして、専門的な知識と幅広い経験を有する弁護士が、消費者クラスアクションに関する代理や助言を行います。